糖尿病週間に向けて：生活習慣改善と最新治療法の動向
下島調剤薬局毎年11月14日は「世界糖尿病デー」として、糖尿病の予防と治療の重要性が世界中で呼びかけられています。日本でもこの時期に合わせて、糖尿病の啓発週間が各地で実施されます。この記事では、糖尿病に関する最新の情報や治療法、日常でできる生活習慣改善のポイントを紹介します。
糖尿病とは？その種類と特徴
糖尿病は血糖値が慢性的に高い状態が続き、さまざまな合併症を引き起こす病気です。主な種類は以下の2つです。
- 1型糖尿病
免疫系の異常により、膵臓のインスリンを作る細胞が破壊されることで発症します。幼少期や若年層に多く、治療にはインスリン注射が欠かせません。 - 2型糖尿病
生活習慣の乱れが原因となり、インスリンの作用が低下することで発症します。日本の糖尿病患者の約90％は2型糖尿病で、中高年に多く見られます。
糖尿病が引き起こす合併症
糖尿病が怖いのは、高血糖状態が続くことにより、さまざまな臓器にダメージを与える合併症です。
- 糖尿病網膜症（視力低下・失明のリスク）
- 糖尿病腎症（腎不全につながることも）
- 糖尿病神経障害（しびれや感覚異常）
- 心筋梗塞・脳卒中（血管障害によるもの）
これらの合併症を予防するためには、早期の治療と血糖コントロールが重要です。
最新の糖尿病治療の進歩
糖尿病の治療は近年大きく進歩しています。特に新薬やデジタルヘルス技術の導入が注目されています。
- SGLT2阻害薬
血糖を尿から排出することで、血糖値を下げる新しいタイプの薬です。心臓病や腎臓病の予防効果も期待されています。 - GLP-1受容体作動薬
血糖を下げるとともに、食欲を抑える作用があります。肥満を伴う2型糖尿病患者に有効とされ、注射タイプだけでなく飲み薬も登場しています。 - スマートインスリンペンと血糖測定センサー
スマートインスリンペンは、使用履歴をアプリで管理でき、血糖値との関連も確認できます。また、血糖測定センサーにより、指先から血を採取せずに血糖値をリアルタイムで把握できる技術も普及しています。
糖尿病予防に役立つ生活習慣の改善ポイント
2型糖尿病の予防には、日常生活での心がけが非常に重要です。以下のポイントを参考に、生活習慣を見直してみましょう。
- バランスの良い食事を心がける
- 野菜や食物繊維の多い食事を積極的に摂る。
- 糖質や脂肪を摂りすぎないよう注意する。
- 運動を習慣化する
- ウォーキングや軽いジョギングを週に3〜5日行う。
- 筋力トレーニングも取り入れることで、血糖値のコントロールに効果が期待できます。
- 十分な睡眠とストレス管理
- 睡眠不足や過度なストレスは血糖値に悪影響を与えます。
- 深呼吸や趣味の時間を持つなど、心のケアも大切です。
- 定期的な健康診断を受ける
- 血糖値の変化を把握し、早期発見と治療に努めましょう。
まとめ：糖尿病週間をきっかけに、生活を見直そう
糖尿病は、正しい知識と早期の対応で予防が可能な病気です。また、すでに糖尿病と診断された場合も、最新の治療法を活用しながら生活習慣を改善することで、合併症のリスクを減らすことができます。
「世界糖尿病デー」をきっかけに、自分の健康状態を見直し、必要であれば医師や薬剤師に相談する習慣を持ちましょう。糖尿病予防は、日々の小さな積み重ねが大切です。家族や周囲の人と一緒に、健康的な生活を目指していきましょう。
